いつの間に眠っていたのか…少女は瞼に当たる朝日の感触で目を覚ました。遠くから鳥の鳴き声と小さく波音が聞こえる。
 昨夜一体どうしたんだっけ? そう思案しながら瞳をゆっくり開いた少女は、大きな腕に抱きとめられた自身を認識した。
 目の前には大きく分厚い胸板。大きな手が抱え込むように少女を抱きしめている。ちらりと視線を上げれば伏せられた瞳が見えた。
 もぞり、とエメトセルクを起こさないように腕から這い出てうつ伏せになる。片手で頬杖をつき空いた手でそっとエメトセルクの髪に触れる。その茶色い癖っ毛を指先に絡めながら寝顔を眺める。
 思ってた以上に長い睫毛が伏せた瞳を彩っている。普段は皮肉が飛び出すニヤリと笑った唇も今は静かに横一文字に結ばれている。
 しばらくそのまま髪の先を弄んでから、少女はそっと体を横に倒して今度は両手でエメトセルクの髪をさわさわと撫でた。
「……んん……」
 身じろいだエメトセルクの腕が少女の体を強く抱き寄せる。ぐいっと寄せその胸元に顔を埋めてくる。
 少女の手が、その頭を抱え込むように抱きしめる。そのままゆっくり頭を撫でてその髪に顔を埋めた。
「……あさ、か?」
 半覚醒な声が腕の中から聞こえる。少女は優しくその頭を撫でながら答える。
「あさ、だよ」
 応えるように、エメトセルクの抱き寄せる腕が強くなる。うりうりと少女の胸に強く顔を埋めエメトセルクは大きく息を吐いた。
 よしよしと撫でればその動きに気を良くしたのか、さらに強く顔を押し付けてくる。
顔を上げる気配がしたのでそっと指を髪の毛から解いてやる。もぞり、と動いた頭が上向き金の瞳がぼんやりと少女を見つめる。
 少女はゆっくりとその顔に近づいて鼻と鼻をすり合わせる。
「……おはよう」
 少し気恥ずかしくなって目を細めながら少女は照れくさそうに笑った。エメトセルクもその少女の様子に機嫌よく目を細める。
「おはよう……寝れたか?」
 コクリとうなづく少女を見て嬉しそうに唇を重ねてくる。下から触れる口づけに微笑んで少女もさらに顔を寄せる。お互いに啄ばむよな口づけを交わす。
 エメトセルクがもぞもぞと動いて少女の体を、肩口まで引きおろす。きゅっと抱き寄せて腕の中にある感触を確かめる。
 見上げれば金の瞳が朝日を受けてキラキラと輝いていた。
 エメトセルクの指がそっと少女の髪を梳く。少女は顔を上向けたまま瞳を伏せてその動きに擦り寄った。するすると撫でられる感触が気持ちいい。
 エメトセルクの指が髪の毛から背中をつたい、腰にするすると下がってくる。浴衣の上から尾てい骨のあたりをさわさわと触られて体をよじる。
 そのままゆっくりと尻を撫でられ思わず小さな声が漏れる。そのまま尻の割れ目に沿って指が動く。蕾に触れた指がそこを優しく撫でる。反応するようにきゅっと締まるその感触を指の腹で感じる。
 2度3度撫でて感触を確かめた指がそのまま秘部の入り口へ向かおうとする。
「ち、ちょっと…」
 抗議の声を上げる少女の声も聞かずエメトセルクの指がゆるゆるとそこを撫でながら押し広げていく。触れた場所がじんわりと湿り気を帯びていることに気を良くした指がちぷちぷと音を立てながらそこを執拗に弄る。たまらず少女が身をよじるのを空いた手で肩を強く掴んで抑える。
「……っふ……んんっ…!」
 声を上げないようにくぐもらせて腰をびくりと跳ねさせる少女の小さな手が縋り付くようにエメトセルクの着物を掴んだ。
 昨夜の余韻からかすぐに蜜が溢れ始めた少女の秘部から絶え間なく水音を響かせる。静かな部屋に少女のくぐもった喘ぎ声と共に響き渡る。
 存分に感触を楽しんだエメトセルクは一度指を離すと仰向けに寝転んだ。
 ひょいと軽く少女を抱き上げ、昂り始めたエメトセルク自身を跨ぐように座らせる。少女の割れ目にぴとりと添わされて少女がぴくりと跳ねる。
 上半身を起こしたエメトセルクは自身の背後に大きめクッションをいくつも召喚しそこに背中を預けた。
 少女の頭を優しく撫でながらエメトセルクは目を細める。
「……朝からお元気なことで」
 少女の憎まれ口が少し震えている。頬を赤く染めてむぅっと見上げてくる視線をニヤリと笑うことで受け止める。
「お前も望んでいただろう?」
「望んでなっ…っん!」
 声を上げ切る前に腰を揺らしてやればびくりと少女が跳ねる。
「こんなに濡らして言う言葉ではないな」
 ニヤリと笑いながらエメトセルクはもう一度少女の腰を揺らす。
「昨夜あんなに乱れたのにまだ足りないのだな」
 わざと低くした声でそう言われて、少女の脳裏に昨夜の情景がフラッシュバックする。かあぁっと全身が熱くなるのがわかる。その反応を見てエメトセルクはさらに機嫌よく笑う。
「忘れていたのか、ひどいなぁ」
 その頬に手を添えてなぞる。
「昨夜もっともっとと喘ぎ求めてきたのはお前だったのに」
 違うと抗議が出る前に少女の腰を揺らして注意をそらす。
「自ら腰を振って奥の奥まで私を飲み込んでいたことすら忘れたのか」
 ひどいひどいと芝居掛かった声で言われてゾクゾクと少女の腰の奥が疼いた。
「そ、そんなこと…」
 エメトセルクの指がそっと腹をなぞる。
「この奥で何度も私の性を飲み込んだ事をもう忘れたのか?」
 ふるふると首を振る少女の脳裏に、確かに昨夜風呂から上がった後気絶するまでお互いを求め合った記憶が蘇る。
 さわりさわりと撫でられる腹の奥底でエメトセルクの性を、熱に浮かされた体で何度も受け止めた事実を思い出し、少女が小さく体を縮こまらせる。
「…思い出したか?」
 その口に小さな手の甲をあてて、少女が小さくコクリと頷いた。
「…いい子だ」
 エメトセルクの手が優しく少女の頭を撫でる。
「ならば、続きといこうじゃないか」
 告げられた声にびくりと少女が震える。
 優しく頭を撫でる手はそのままにもう片方の手でエメトセルクは少女の太ももの内側を撫でた。
「…さぁ、まずは自分で入れてごらん」
 少女がさらに赤くなったのがわかる。
 昨夜何度も重ねた体は、少女の理性と裏腹に早く欲しいと早鐘を打つ。
 どうすればいいのかはわかるのに理性が邪魔をして動き出せない少女に、そんなものは捨ててしまえとエメトセルクは言い放ち太ももを弄る手を再開する。びくびくと震える少女の体がエメトセルク自身に擦り付けられる。
 心と体の要求のアンバランスさに耐えかねて少女の瞳が不自然にエメトセルクからそらされる。もぞりと動いた少女は腰を浮かせエメトセルクの先端を自身の秘部の入り口にぴとりと押し当てた。何度かくちくちとそこを触れ合わせ位置を合わせてから、少女はゆっくりと自身の中にエメトセルクを受け入れていく。
「ーーー…っ!! …っふ…!」
 ゆっくりとエメトセルクの熱を確認するようにじりじりと少女の内壁がまとわりついてくる感触に、目を細める。
「…いい子だ、ゆっくりでいいぞ」
 頬を撫でると、恥ずかしげに伏せられた瞳がちらりとエメトセルクを見つめてきた。
 昨夜何度も体を重ねて、エメトセルクは少女の手綱の握り方をなんとなく理解し始めていた。
 英雄の核たる部分がなかなか理性を手放さないが、一度外してしまえば気をやってしまいやすい性質である事。褒めてやれば恥ずかしそうに嬉しがるという事。口に出して言葉で認識させればさせるほど、こちらの言う事を聞き入れてくれるという事。そして何より、英雄ではない少女の核の部分が、支配される事を望んでいる事…。
「あぁ、お前の中は本当に気持ちいいな」
 声で伝え頬を撫でれば震えながらもエメトセルクを見つめてくる視線を感じる。その視線を受け止めてさらに言葉を重ねる。
「今ではすっかり私の形になったな。いい子だ、あぁ、とてもいい子だ」
 その頭を優しく撫でてやればその手に擦り寄ってくる少女がいる。いっぱいに割り開かれて穿たれる感触に、瞳の端に涙を浮かべながらも嬉しそうに少女は腰を沈めていく。
「……っう……っふぅ……」
 何度もエメトセルクを受け入れたその体は、すんなりと彼自身を受け入れ根元まで飲み込んだ。
 太ももを撫でていた手をその腹に添える。どれだけ少女がエメトセルクを受け入れても、元々の体格差ゆえにその腹はエメトセルクの形にいびつに歪む。そこを優しく撫でれば少女の体がびくびくと震える。
「……っそこ、に、いる……」
「あぁ、ここにいるぞ」
 なぞるように撫でられ少女の内壁がきゅっとエメトセルクを締め付ける。少女の内側は暖かく彼の形を確認するように蠢き締まる。
 その顔を上向かせ、口づけを落とす。強く求めず触れるだけの口づけを何度も何度も落とす。
 震えながらもたどたどしく、何度も口づけているのにいつ与えても初心な反応に心がざわめく。
 英雄として毅然と対処することを常に求められ気を張り続ける少女の本質は、年頃の娘にも満たないのだと思い知らされる。本来なら与えられるはずだった日常も愛情も希望も絶望も、英雄であるというだけで全てその手から手放した少女には「普通」に対する経験値が足りない。それ故に少女は常に「普通」の反応を探す。エメトセルクから与えられる情報だけを頼りに探り続ける。
 故に、エメトセルクは言葉を重ねる。自らの好むがままに導いていると言われたらその通りだが、少女の不安を拭えるならその程度安い取引だろうと不遜な態度で導いていく。英雄として道を切り開くことを望まれる少女は、本当は誰かに手を引いて欲しかったのかもしれないと、少女の様子から思い至る。
 幾度目かの口づけの後、少女の両手を取りその指先にそっと口づけを落とす。びくりと震えた少女の胎内がエメトセルクをきゅうと締め上げる。
 初心な少女の反応と成熟した女性の反応の両側面で揺れ動く様が愛くるしい。
「…平気か?」
 低く問いかければこくこくと少女がうなづく。きゅっと少女の指先がエメトセルクの指を掴む。
「……うご、く?」
 見上げてくる瞳を見つめる。熱に浮かされて潤む瞳が怯えと快楽を含んで見上げてくる。その指先に今一度口づける。
「…動けるか?」
 ふるりと肩を震わせた少女は小さくうなづくとエメトセルクの胸の上に手を乗せた。その小さな手でエメトセルクの着物を強く握りしめる。
 ゆるゆると確認するように腰を引きエメトセルク自身を入り口ギリギリまで引き抜く。一瞬肩を竦めて躊躇した後、その腰を一気に落とし込んで一番奥を叩くように彼を入れ込んだ。
「……っあぁっ……!! っふ……」
 耐えきれず喉が跳ね嬌声が喉を震わす。奥の奥でぐるりと腰を回すともう一度入り口まで引き抜く。角度を変え何度も引き抜いては落とす。
 エメトセルクはその少女の様子を目を細め満足そうに見つめている。この動きだけでエメトセルク自身が達することはない。だが目の前で快感に喉を震わせしがみつきながらも、相手に快楽を与えようと必死に腰を振る姿は、それを補ってあまりあるほど扇情的で、見ているだけで満たされるものを感じた。
 エメトセルクを受け入れるそこは締め付けが強くなり、もっとと求めるように彼自身に絡みついてくる。
 かぶりを振りながら何度も腰を打ち付ける少女の頬に手を添える。そのまま首筋、鎖骨、腹をくるりと撫で腰にそっと手を添える。びくりと少女が震える。
「…っうっ……ふぁっ……」
 柔らかい抽送のたびにあがるくぐもった喘ぎ声が艶を帯びていくのがわかる。少女の中がもっとと震えエメトセルクに絡みつく。
「…エ、メ……っ!」
 名を呼ばれどうしたと視線を投げる。瞳の端いっぱいに涙をためて荒い息の間に少女はたどたどしく尋ねてくる。
「…っぁ…き、もち…っいぃ…?」
 どこまでも少女は少女であり続けるのだな、とエメトセルクは口の端を歪ます。その目尻の涙を唇で掬い取りながら優しく応える。
「…あぁ、とてもいいぞ」
 嬉しそうに少女は笑う。快感の波に揉まれながら微笑むその様は、まるで花がほころぶように艶やかだった。
 お互いの唇を重ねながら、エメトセルクは少女の腰から尻へ手を動かしさわりと撫でる。びくびくと震えながらも、少女は腰の動きを止めない。
 少女も自身の動きだけで達することはないとわかっている。もっと奥まで欲しいと打ち付ける腰が深くなるのをエメトセルクも知っている。
「……っうあぁ……っふ……!」
 淫らな水音が部屋に響き渡る。朝日から切り離された影の中で少女が淫靡に蠢く。
 さわりさわりとその尻を弄る。少女の動きを邪魔しないようにただ触れるだけのそれに少女は喉をそらす。
「…どうした? もっと、欲しいのか?」
 耳元で低く囁けばふるふると震える。小さく何度も縦に首を振る少女にさらに追い打ちをかけていく。
「…なら、おねだり、してごらん」
 顔を上げた少女の頬が赤みを増す。言われた言葉の意味を反芻して恥ずかしそうに体が震える。
 その頬に口づけしながらエメトセルクは少女を囲い込んでいく。
「欲しいなら、ちゃんと言わねばわからぬからな」
 普段から言葉が足りない少女に、もっと情報を伝えろと告げていく。
 相手の言葉はゆっくりと時間をかけて聞いて引き出していくわりに、少女が自身のことを語ることはほとんどない。本来なら言葉で伝えるべき場所ですら、薄く貼り付けた表情のみで表現しようとする。おそらく少女が英雄として振る舞う際に手に入れた武器の一つなのだろうが、ことベッドの上においてはそれは不要である。
 もっとお前の声を、お前の言葉を聞かせろとエメトセルクは少女に優しく促していく。
 恥ずかしそうに少女の瞳が伏せられる。奥の奥まで飲み込んだままの少女の中がエメトセルクを求めて蠢いている。
 あえて刺激は与えない。快楽に浮かされて気をやりながら求められるのも扇情的ではあるが、残った理性を乗り越えて求めてくる様を今は見たい。
 無意識か動き出そうとする少女の腰に手を添えて動かないように固定する。その状態でもその胎内はゆるりと蠢きエメトセルク自身に纏わりつく。
「……っふぅ……手……」
 動かせない体に痺れを切らすように少女の手が着物から離されエメトセルクの手に重なる。ぴとりと添わされた手を指を絡めて固定する。
「ほら、どうする?」
 耳元で囁かれいやいやとかぶりを振る。その様に腰を揺らし奥の奥まで貫きたくなる衝動をぐっと我慢する。
「……おね、が、い…っ」
 途切れ途切れながらも懇願が溢れ始める。まだ足りないとエメトセルクはその瞼に口づけを落とす。
「……も、っと…っくだ、さぃ…」
「…何が欲しいんだ?」
 ちゃんと言葉にしろとエメトセルクは少女を追い込む。少女の知る語彙では全てを表現できないだろうことをわかりながら、お前の言葉で聞かせろと促す。
 ふるふると少女が言葉を探して頭を振る。少女の肉壁が、探す言葉から次の行為を連想して蠢く。
「……っエメ、ト、セルク…の…で、おくっ、いっぱい、に…して…く、ださ、ぃ…」
 エメトセルクの金の瞳を、熱に浮かされた少女の瞳がじっと見つめてくる。自分で告げた言葉で想像したのか少女の肉壁がエメトセルクに絡みついて締まる。
「奥が好きだものな」
 その瞼に口づけを落としながら、エメトセルクは抑えていた腰をぐいっと引き寄せ密着させる。ほんの少し奥へ動いただけのそれに少女が震え内壁が締まる。
「ふ、あぁ…っ! …っ、うん、うんっ…」
 こくこくと頷いてきゅうきゅうと締めつけてくる感覚にクラクラする。
 乱暴に穿ち貫いてしまいたい衝動を押し込んで奥の奥をこつこつとノックする。
 掴んでいた少女の両の手から指を離せば、縋り付くようにその手がエメトセルクの着物の襟を掴む。
「…っお、くっ…すき、っなの…いっぱい、ほし、い…っ!」
 小さな刺激も漏らさないように全身で感じる少女の余裕はもうなさそうだった。入れ込んだままのエメトセルク自身も固く熱く主張している。
「いい子だ」
 唇を重ねながらエメトセルクは少女の腰をグラインドさせ始める。浅く深く緩急をつけて攻めればあっという間に少女は熱に浮かされその口から嬌声が絶え間なく上がる。
「……っぁああぁ…!!」
 何度貫いても初めて受け入れた時と変わらず全身で感じる様にエメトセルクも気をよくする。
 抽送の合間に唇を重ねる。口の奥をも舌で舐り犯せば快感に浮かされた少女が、全身でエメトセルクにしがみついてくる。
 唇を離せば艶やかな嬌声がエメトセルクの耳をくすぐる。それすら心地よく耳に響く。
「っぁああぁっ…! っふぁ…ぅあぁぁ…」
 奥の奥まで届くように何度も抽送を繰り返す。締め付けてくる少女の胎内が限界が近いことを伝えてくる。
「…っあぁ! …っも、らめぇ…っきちゃ、う…」
 ゾクゾクとする快感の向こうで少女が手を伸ばしている。
 飲み込めと小さく呟いてエメトセルクが少女の胎内に己の性を出すのと同時に少女の締め付けが強くなった。
 びくりと大きく跳ねたあと少女は小さく体を縮めて小刻みに痙攣した。繋がったままの場所から混ざり合った2人の性がごぷりと漏れ出す。
 エメトセルクは少女の肩に顔を埋めて大きく息を吐いた。少女の手がそっとその髪を撫でる。まだびくびくと震える体で、それでもあやすようにエメトセルクを撫でるその手はどこまでも優しい。
 エメトセルクもそんな少女の頭に手を伸ばしゆっくりとその髪を梳いてやる。背中に手を添えゆっくりと撫でながら少女の息が落ち着くのを待つ。
 顔を上げ視線を交わらせる。求めあうようにどちらともなく唇を重ねる。小さな舌を絡めとり優しくあやすように撫でれば少女の身体がびくびくと跳ねる。
 深く唇を重ね、腔内を隅々まで舐め上げゆっくりと唇を離す。落ち着かせるようにその唇をついばみながら少女の腹をゆっくりと撫でる。エメトセルクの性で膨らんだそこから撫でるたびにこぷりと音がし、繋がったままの場所からとろりと溢れる。
 まだ肩で息をする少女の腹を撫でながらエメトセルクは低く優しい声色で呟く。
「たくさん飲み込んだな」
 告げられて真っ赤になりながら少女は小さく二度頷く。昨夜から何度もその性を飲み込んだ腹を愛おしそうに撫でられ少女は震えた。
 支えるように背中に手を添えエメトセルクは何度も少女の腹を撫でる。まだ繋がっているという事実と優しく撫でられる感触、それに対する気恥ずかしさで少女の顔が赤くなる。エメトセルクの手に少女の手がそっと添えられる。
「…まだ、なかに…」
 理性を戻しきれてないのかぼんやりと熱に浮かされた瞳でぽつぽつと状況を伝えてくる少女の髪に口づけする。
「あぁ」
「…いっぱい、なか…」
 エメトセルクの動きに合わせて一緒に腹をさすりながら少女は目を細める。その口角が優しく微笑むように上がっているのを見て、エメトセルクの口角もつられるように上がる。
「…抜いても平気か?」
 問われて少女が小さく震えて頷く。
 ゆっくりと少女の中から自身を引き抜いたエメトセルクは、少女の割れ目から溢れる自身の性を見て上機嫌になる。
「…っふ…」
 短く息を吐いてその感覚をやり過ごそうとする少女の髪に今一度口づける。
「…朝風呂にするか」
 既に朝という時間でもないような気もするが、そこは意識の外に置いていくことにする。
 こくりと小さく頷く少女を優しく抱き締め幾度か髪に口づけを降らす。
 そっと抱き上げたエメトセルクは浴室へとやはり些か上機嫌で歩みを進めた。
 ぱたりと閉まる扉の音が2人のいなくなった部屋に響いた。

――――――――――
2019.08.23.初出

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