【エメ光公】吠える狼は牙を持たない【手触り5】

【エメ光公】吠える狼は牙を持たない【手触り5】

 されど狼は月に吠える  牙を剥くその月に向かって 「お前は学習能力がないのか」  かけられた声に答える声はない。  英雄のために設えた部屋の真ん中で、闇の手に絡め取られた英雄が喉を唸らせて吠えた。その耳は立ち尾はぶわり…

【エメあのヒュ】愛でも恋でもない関係【僕らのポラリス】

【エメあのヒュ】愛でも恋でもない関係【僕らのポラリス】

「え、君まだちゃんと伝えてないの?」  ヒュトロダエウスのベッドの上、ヒュトロダエウスの下、体の真ん中をいささか凶暴な熱い杭で貫かれながら、ヒュトロダエウスの素敵な素敵な宝物は普段通りの声色で現状を報告して来た。 「っん…

キミの声で聞かせて【C97】

キミの声で聞かせて【C97】

キミの声で聞かせて C97(2019.12.29.)発行 A5/52P/800円 テーマは、エメトセルクとヒカセン。 執筆者は、きっ子(@kiko_d0k1)さん、今朝の紅茶(@kesatea)さん、LR(@lunara…

【エメ光】手触り

【エメ光】手触り

「…あなた、そのクセまだ治ってなかったの?」  スリザーバウで久方ぶりにヤ・シュトラと再開した闇の戦士とそのご一行は今後の方針を彼女の自室で話し合っていた。  互いの持つ情報を交換していたのだが、当の本人であるミコッテ族…

【エメあの】不死鳥とキミ

【エメあの】不死鳥とキミ

「……説明を要求してもいいか」  普段の三割増で声のトーンを落として目の前でへらりと笑う男を睨みつける。  平和で平穏、変化もないはずのアーモロートの日常に今日もまた頭痛の種が撒かれた。 「いや、これに関しては事故だよ?…

【エメヒュあの】染まらぬもの

【エメヒュあの】染まらぬもの

 それは生まれたての何ものにも染まらない色をしていた  はじめてあいつをみた時の印象は今でも忘れない。  おおよそ平均よりも小さな体全体に纏う圧倒的なエーテルの渦。さまざまな色形をしたそれに染まらない魂の色。  よく言え…