【エメ光】花は揺蕩う【記憶の彼方/欠片の記憶】

【エメ光】花は揺蕩う【記憶の彼方/欠片の記憶】

 思えば一体どれほどの時間を1人耐えていたのかと思う。  キタンナの洞窟で告げたように、生き残ったアシエンは3人いたが3人ともが全く同じ思いで事に当たっていたとは思えない。  少なくとも私は……失った同胞を取り戻すという…

【エメあの】不死鳥とキミ

【エメあの】不死鳥とキミ

「……説明を要求してもいいか」  普段の三割増で声のトーンを落として目の前でへらりと笑う男を睨みつける。  平和で平穏、変化もないはずのアーモロートの日常に今日もまた頭痛の種が撒かれた。 「いや、これに関しては事故だよ?…

【エメ光】見つめる夢幻【記憶の彼方/欠片の記憶】

【エメ光】見つめる夢幻【記憶の彼方/欠片の記憶】

どうしよう、どうして、どうしよう。 頭の中はずっとぐるぐるしてる。あぁ、考えることをやめたい。 すごく、すごく混乱してるのに、妙に冷えたもう1人の私がそれを見ているような感覚。 こうなると手は動いてても何かを作り上げるこ…

【エメヒュあの】染まらぬもの

【エメヒュあの】染まらぬもの

 それは生まれたての何ものにも染まらない色をしていた  はじめてあいつをみた時の印象は今でも忘れない。  おおよそ平均よりも小さな体全体に纏う圧倒的なエーテルの渦。さまざまな色形をしたそれに染まらない魂の色。  よく言え…

【エメ光】欲の果て

【エメ光】欲の果て

「…相変わらず死に急いでるな」  レイクランドの廃村の倉庫に押し込まれて固い木箱に押し付けられたまま、降りてくる声に顔を上げる。打ちつけられた木枠の隙間から漏れる光がふたつの人影をひとつにする。 「…うん」  背中に感じ…