腕の中のぬくもりを逃したくなくて、何度も何度もその身を穿った。燃え上がる快楽は止まるところを知らず、互いに何度も果てた。コンドームがなくなってからは互いに抱き合い性器を擦り合わせて眠った。 泥のような倦…
【エメ光/現パロ】あなたが【バーと本と僕と私】
今夜、あなたに、抱かれる。 生娘のような感傷だ、と笑いながら差し出すための準備をした。 6日も間が開けばその間に準備の手際も良くなるわけで。後孔に自らの指をほんの少し差し入れて解すことにも慣れてしまった。まだ、これ…
【エメ光/現パロ】踏み出す決意【バーと本と僕と私】
「エメトセルク、集中して」 「してる」 「さっきからずっとスマホチラチラ見てるでしょ」 自宅、書斎、美人担当編集と2人きり。 とだけ書けばラブロマンスの一つでも始まるのかと読者はワクワクするのかもしれないが、残念なが…
【エメ光/現パロ】蕩ける思惑【バーと本と僕と私】
なんだかひどく長い夢を見ているような、そんな気持ちになる。 ハーデスは何度も耳元で囁いては僕の言葉を求めて、僕が言えれば褒めるように口付けを落としてくれた。 その手が、唇が、熱くてそこから蕩けてしまいそうだ。 気…
【エメ光/現パロ】接近する距離感【バーと本と僕と私】
久しぶりにバーを開けたら、待ってましたとばかりに1人また1人と常連が訪れてくれた。 旅行のお土産と共に帰宅後熱を出していたことを伝えると、皆が皆もっと自分を大切にしろと言う。それには苦笑いで答えることしかできない。 …
【エメ光/現パロ】揺れた水音【バーと本と僕と私】
「…っほんとに、入るんですか…」 「あれだけ煽っておいて…震えるのはやめてくれないか」 「ふ、震えてない、です」 浴室の扉の前、ハーデスに出口を塞がれる形で僕は小さく震えていた。洗面所の大きな鏡には不釣り合いな身長差の…
【エメ光/現パロ】記憶の扉【バーと本と僕と私】
「うまく…まとまったみたいで…?」 「おかげさまで」 光とひかりをリビングに残して、私とヒュトロダエウスは書斎にいる。 「食事してきたのか」 「うん、駅の方まで行って食べてきたよ」 踏み台代わりの椅子に腰掛けながら、…
【エメ光/現パロ】独白と告白【バーと本と僕と私】
人の身というのは現金なもので、山積みだった懸念材料にさえ目を向けなければ熱も上がらず体だけは復調していく。 目を向けなければ、は正しくない。正確には、向ける余裕がないのだ。 「は、ハーデス、さん」 「なんだ」 「ち、…
【エメ光/現パロ】涙とぬくもり【バーと本と僕と私】
深夜2時 腕の中に抱き込んだ熱がもぞりと動く感覚に意識を浮上させる。布団を跳ねあげないように腕の中から抜け出た熱を寝たふりをしたまま見送る。寝室のドアが開いて閉じて空気が揺らぐ。真っ直ぐトイレに向かったのかしばらくして水…
【エメ光/現パロ】縋れない体【バーと本と僕と私】
旅行から帰った翌日、光の携帯にメールを送った。返事はない。 その翌日、店の前まで来た。バーは閉じていた。 旅行の疲れが出ているのかもしれない、別れ際も少しぼんやりとしていたし、そう思いバーを後にする。 さらに翌日…