【エメ光】捕食されるもの【手触り6】

【エメ光】捕食されるもの【手触り6】

 避けていた。あからさまに避けていた。  二人に散々いいようにされてから、二人の顔が見れない。  逃げているってわかってる。迂闊だったのも、煽ったのも、悪いのもオレだ。  それでもオレは逃げるしかない。戦うことでしかここ…

【エメ光/現パロ】交わる熱の行方【バーと本と僕と私】

【エメ光/現パロ】交わる熱の行方【バーと本と僕と私】

「荷物はこれだけか?」  僕の手からダッフルバックを取り車のトランクに置きながらハーデスは僕に尋ねてきた。 「はい」 「よし、なら行こうか」  どうしてこんなことになっているのか、僕は脳内を沸騰させながら彼の進めるまま助…

【エメ光/現パロ】未確定の刺客【バーと本と僕と私】

【エメ光/現パロ】未確定の刺客【バーと本と僕と私】

 作家業は何も家に詰めてずっと机に向かっているわけでも無くて。  もちろん書くことが本業であるから机に向かってる時間は一般的な人よりは長いだろうという自負はあるが、違和感なく話を書くためにはどうしても取材や研究も必要にな…

【エメ光/現パロ】無自覚な恋【バーと本と僕と私】

【エメ光/現パロ】無自覚な恋【バーと本と僕と私】

 昼間の外出はあまり好まない。  それでも週に1回は買い物に出ないことには生活もなかなかままならない。全部配達で、とも考えたが職業柄季節をも感じられなくなりそうで、それは避けたかった。  ここ最近の自分の変化に戸惑いなが…

【エメ光/現パロ】新しい扉【バーと本と僕と私1】

【エメ光/現パロ】新しい扉【バーと本と僕と私1】

 その日、私は酷く疲れていた。  昼過ぎから続いた打ち合わせはとっぷりと日が暮れるまで行われ、合間にコーヒーを幾ばくか胃に入れただけで腹も空いている。知識は満たされたが、胃の腑は音がなりそうなほど凹んでいる。  自宅の最…

【エメ光公】吠える狼は牙を持たない【手触り5】

【エメ光公】吠える狼は牙を持たない【手触り5】

 されど狼は月に吠える  牙を剥くその月に向かって 「お前は学習能力がないのか」  かけられた声に答える声はない。  英雄のために設えた部屋の真ん中で、闇の手に絡め取られた英雄が喉を唸らせて吠えた。その耳は立ち尾はぶわり…

【エメ光】思いを抱いて【記憶の彼方/欠片の記憶】

【エメ光】思いを抱いて【記憶の彼方/欠片の記憶】

 アム・アレーンの大罪喰い討伐に、普段ならなんだかんだと理由をつけて付いてくるエメトセルクが一度も姿を表さなかった。  視界の届く範囲にいるとつい目で追ってしまう私としては目的に集中できて有り難かったが…それほどまでに彼…

【光公】求めず与えず受容する【手触り4】

【光公】求めず与えず受容する【手触り4】

 英雄は伸ばす腕を持たず  レイクランドに罪喰いの不可解な襲撃があったその日、水晶公は英雄の自室の前にいた。  クリスタリウムの防備に集中していてタワーから離れられなかった水晶公に、レイクランドの前線で戦ってくれていたか…