キミの声で聞かせて C97(2019.12.29.)発行 A5/52P/800円 テーマは、エメトセルクとヒカセン。 執筆者は、きっ子(@kiko_d0k1)さん、今朝の紅茶(@kesatea)さん、LR(@lunara…
【公光】手触り【手触り2】
「おかえりなさい」 クリスタリウムに戻って早々に部屋で休め! と居住館に押し込められたものの、そう言えばマーケットを覗いておきたいのだったとするりとドアを抜け出して。管理人さんに直ぐに戻るよとだけ声をかけてペンダント居…
【エメ光】手触り
「…あなた、そのクセまだ治ってなかったの?」 スリザーバウで久方ぶりにヤ・シュトラと再開した闇の戦士とそのご一行は今後の方針を彼女の自室で話し合っていた。 互いの持つ情報を交換していたのだが、当の本人であるミコッテ族…
【エメヒュあの】染まらぬもの
それは生まれたての何ものにも染まらない色をしていた はじめてあいつをみた時の印象は今でも忘れない。 おおよそ平均よりも小さな体全体に纏う圧倒的なエーテルの渦。さまざまな色形をしたそれに染まらない魂の色。 よく言え…
【エメ光】尾を引く箒星
「英雄様には奇妙な趣味があるんだな」 硬い感触を感じながら、ぶっきらぼうに投げかけられた言葉に私は意識を揺り戻す。 硬い床の感触を頬に感じる。体が重い。頭がぼんやりと痛い。 這いつくばるように肘で上半身をかろうじて…
【公光】赤い瞳の思案
ここはどこだろうか。 私は見知らぬ天井を見上げながらぼんやりと瞳を開ける。アーチ状の梁を見つめながら記憶を揺り戻そうとする。 「あ、目が覚めましたか?」 不意に横から声をかけられて思考を分断される。ゆっくりと顔を動…
【エメ光】悲しみに沈む町
アーモロート、この街はいつ来ても悲しみに沈んでいるね 世界があるべき姿に戻ってから幾日たっただろうか。 闇の戦士と呼ばれた私は、その日も1人海の底に沈む海底都市に来ていた。 あの男が作った幻影都市アーモロートは、…
【エメ光】残滓
名前を呼ばれた気がした。 懐かしい名前、今はもう呼ぶ人もいない呼び声。 「…………ク…………ト………ク…!」 ゆさゆさと揺さぶられる感覚に、目を開ける。 目の前に眉根を少し寄せて心配そうな顔をした少女の顔があった…
【公光】憧れを抱きしめて
遠い遠い記憶の底に大事にしまい込んだ美しい原風景がある。 青く輝く水晶の塔、満天の星空、仲間たちの笑顔……あなたの笑顔。 あの日々は今も宝物となって、オレの心の中で輝いているんだ。 「少し、話そうよ」…
【エメ光】その愛の名は 2
そこに在るだけで、世界は滅びに向かっていく。強い光はもう世界に影を落とさせない。 「お前はここに居るだけでいい。やりたいことがあるなら、それをすればいい。わたしはお前に強要はしない。」 エメトセルクは海底都市アーモロ…