旅行から帰った翌日、光の携帯にメールを送った。返事はない。 その翌日、店の前まで来た。バーは閉じていた。 旅行の疲れが出ているのかもしれない、別れ際も少しぼんやりとしていたし、そう思いバーを後にする。 さらに翌日…
【エメ光】捕食されるもの【手触り6】
避けていた。あからさまに避けていた。 二人に散々いいようにされてから、二人の顔が見れない。 逃げているってわかってる。迂闊だったのも、煽ったのも、悪いのもオレだ。 それでもオレは逃げるしかない。戦うことでしかここ…
【エメ光/現パロ】交わる熱の行方【バーと本と僕と私】
「荷物はこれだけか?」 僕の手からダッフルバックを取り車のトランクに置きながらハーデスは僕に尋ねてきた。 「はい」 「よし、なら行こうか」 どうしてこんなことになっているのか、僕は脳内を沸騰させながら彼の進めるまま助…
【エメ光/現パロ】未確定の刺客【バーと本と僕と私】
作家業は何も家に詰めてずっと机に向かっているわけでも無くて。 もちろん書くことが本業であるから机に向かってる時間は一般的な人よりは長いだろうという自負はあるが、違和感なく話を書くためにはどうしても取材や研究も必要にな…
【エメ光/現パロ】無自覚な恋【バーと本と僕と私】
昼間の外出はあまり好まない。 それでも週に1回は買い物に出ないことには生活もなかなかままならない。全部配達で、とも考えたが職業柄季節をも感じられなくなりそうで、それは避けたかった。 ここ最近の自分の変化に戸惑いなが…
【エメ光/現パロ】新しい扉【バーと本と僕と私1】
その日、私は酷く疲れていた。 昼過ぎから続いた打ち合わせはとっぷりと日が暮れるまで行われ、合間にコーヒーを幾ばくか胃に入れただけで腹も空いている。知識は満たされたが、胃の腑は音がなりそうなほど凹んでいる。 自宅の最…
バーと本と僕と私 キャラクター説明【バーと本と僕と私】
<登場人物> ヒカセン♂(30代):名前は光(ひかる)、《Bar:Azure》のマスター兼貸し部屋のオーナー、紺碧の髪と色素の薄い瞳。エメトセルクの本のファン。蕩けないと素直になれないお年頃。 エメトセルク(…
FFXIV ログ6
―――――――――― 2019.11.04.初出
【エメ光】生きるために死んでいく【手触り3】
物言わぬ英雄は前すら見据えない。 その英雄を見つけたのは、ムジカ・ユニバーサリの上空に梁のように備え付けられた天井回廊の上だった。まるで人を避けるようにふらふらと覚束ない足取りで歩く英雄は、罪喰いたちの不自然な襲撃と…
【エメ光】手触り
「…あなた、そのクセまだ治ってなかったの?」 スリザーバウで久方ぶりにヤ・シュトラと再開した闇の戦士とそのご一行は今後の方針を彼女の自室で話し合っていた。 互いの持つ情報を交換していたのだが、当の本人であるミコッテ族…